吉田篤貴 EMO Strings meets 林正樹 「Echo」セルフライナーノーツ
吉田篤貴 EMO strings meets 林正樹 「Echo」セルフライナーノーツ
吉田篤貴、林正樹による、アルバム各曲の解説を公開します。
1. Bluegray Road
岡山にあるとても素敵な気の流れるお寺「蔭凉寺」 に初めて訪れた時に、演奏会の前にピアノを触っていたら、 星が降り注ぐかのように自然と産まれてきた曲。
自分にとってもとても大切な一曲となり、 いくつかのCDにも収録しています。 今回は西嶋徹さんにとても素敵なストリングスアレンジをしてもら いました。(林正樹)
2. Dia dos Namorados
コロナ禍において、
3. Green Chorus
木々たちが体を揺らしながらみんなで合唱してる、 そんなイメージでタイトルをつけました。
全編11拍子のリズムが続いていきます。(林正樹)
4. Obsession
曲名は直訳すると「妄執」。一つのフレーズをモチーフとして、 曲の最初から最後までほぼ途切れることなく繰り返されるミニマル 要素の強めな曲です。どんどん曲が展開していくのに対して、 取り憑かれたように同じフレーズを弾き続ける不思議な空気感を味 わってもらえたら嬉しいです。(吉田篤貴)
5. ソたち
あいうえお〜の五十音を全て曲にする「五十音シリーズ」 からの一曲。(まだ「へ」だけ未完成です。)
そ、た、ち は50音の順番になっています。 曲のメロディーの約74パーセントが「ソ」 の音でできている曲です。
今回吉田篤貴くんにストリングスアレンジをしてもらいました。( 林正樹)
6. 極夜
南極、北極、北欧などの高緯度地域の冬季に起こる、 白夜と逆の現象。昼間でも太陽が登ってこないことを指します。 その淡い光の中の美しい光景を写した写真に感銘を受け、 この曲のタイトルとしました。EMO strings前作のアルバムには弦楽9人でのバージョンを収録 していますが、 今回は12人の弦楽とピアノ用にリアレンジしました。弦は1st Violin4人、2nd Violin3人、Viola2人、Cello2人、 Contrabass1人という編成で、「Dia dos Namorados」も同じ編成で収録しています。
林正樹さんのピアノが入ることで、 まるで魔法がかかったように世界観が何倍にも広がって、 特に気に入っているトラックです。(吉田篤貴)
7. 2006
2006年に作曲した曲。2006を素因数分解すると2×17× 59という美しい素数の積に分解できます。これを利用し、 17拍子の曲で2×59小節で構成される楽曲となっています。 つまり最初の音から最後の音まで数えると、 ぴったり2006拍で曲が出来上がっています。(林正樹)
8. The Wind Fiddler
2013年に参加したアメリカでのミュージックキャンプ中に、 屋外で延々とブルーグラスセッションを繰り広げるミュージシャン たちに衝撃を受け、 彼らを真似したくなって帰国後すぐに書いたこの曲。 アイリッシュやカントリーテイストを取り入れたナンバーで色んな 編成で演奏しています。(吉田篤貴)